ゲーム制作において大切にしている事「全てのゲームは・・・」

【この記事について】

この記事は「Board Game Design Advent Calendar 2020」(https://adventar.org/calendars/5432)の15日目の記事として執筆しました。

これまであまりこのようなBoard Game Designに関する記事を書いたり、発信したりすることはなかったのですが、新しい挑戦として2020に参加させて頂く事になりました。
今回Board Game Designに関する記事を書くと決めてから何について書こうかと悩みましたが、私がゲームを作る上で大事に思っている基本的な考え方を書こうと思います。

【自己紹介とA.I.Lab.遊について】

私はA.I.Lab.遊というサークルに所属している水野(みどり・yugu07)という者です。
「A.I.Lab.遊」は読みがわかりにくいのでよく間違われたりしますが、「アイラボユウ」と読みます。
元々は大学時代の同じ研究室だったメンバーを中心に私が結成したサークルで、最初はコミックマーケットを中心に活動しており、そこで同人デジタルゲームの制作を行っておりました。

現在は主に4名でゲーム制作を行っており、2015年春のゲームマーケット大阪で「航海の時代」を出したのがゲームマーケットデビューになります。その後ゲームマーケットでは「きの×たけ」「航海の時代 王家の書簡」「狩猟の時代」「ピタッとピクチャ」「狩猟の時代 大河の恵み」「行商の時代」「ナワバリ」の8作品(拡張を含む)を発表しております。

【全てのゲームは・・・】

「全てのゲームはRPG(ロールプレイングゲーム)である」

大学の情報系学部を卒業後、ゲーム制作会社に就職していた私は、会社の後輩にそんな事を言ったことがありました。ゲームとはなにか?とか全てのゲームは・・・?とかそんな大それたテーマは何時間あっても語り尽くせないし正解もないと思っていますが、当時の私は何気なくその話題を持ち出してしまいました。

RPG。ドラクエやFFはもちろんだが、マリオはクッパに攫われたお姫様を助けるロールプレイだし、グラディウスだって宇宙船を操り敵を倒すパイロットのロールプレイ。そしてRPGは『究極』の遊びである。一度しかない人生に置いて、他の者の役割・立場・感情などを擬似的に体験させる事が出来る遊び。役割の体験とはすなわち物事を考えて選択することである。もっとも影響を受けたのは、やはり高校生になってから初めて触れたドラクエ5だったか、物語に引き込まれ、主人公にうまく感情移入出来た。結婚の選択に真剣に悩み(といってもビアンカさんしか選んがことがない・・・)ドラクエの世界の主人公になれたのである。

と。後輩はあろうことかそれを否定しこういったのである。

「全てのゲームはパズルゲームですよ」

ん?パズルゲーム?・・・根っからの優秀なプログラマーだった後輩。確かにパズルゲームを考えて作るのが得意だった。全てのゲームがパズルってのはどういう事だろう。
確かに、ぷよぷよはともかく、テトリスをRPGというのは、ちょっと無理があるかもしれない。数独やクロスワードはパズル以外の何者でもないのかもしれない。でもマリオやグラディウスはパズル?ドラクエやFFもパズル??
最初は「?」ばかりであったがよく聞くと確かになるほどと思った。
要はそういったゲームも、コマンドをどう組み合わせるかを考えてクリアをするというパズルであると。パズルゲームは『至高』の遊びであると、物事を考え組み合わせ、いかにクリア出来るかを考える。クリアした時の達成感!考えが正しかった事の喜び!

(なるほど。一理あるのかもしれない。)

そこでは『究極』対『至高』の対決!ってはなることはなかったが、私の中では印象に残った話だった。

【ゲーム制作時に考えている事】


時は流れ、サークルA.I.Lab.遊はデジタルゲーム制作のサークルからアナログゲームを作るようになりました。(デジタルのゲームの作り方とアナログのゲームの作り方については同じかどうかについてはここでは議論しません)ゲーム制作の際、よく「テーマ」先で作るか「システム」先で作るかという事が議論になりますが、それとは関係なく、ゲームの本質的な考え方として「RPG」と「パズル」というこの要素は重要だなぁと私は思いながらゲームを作っています。

「パズル」はゲームの仕組み。何も考えなくても出来るゲームもあるかもしれないが、基本的にはゲームとは自分が勝つための戦略の組み立てをさせるものである。
「PRG」とは体験であり、要するにごっこ遊びである。これは「テーマ」という事になるが「システム」も含めていかにPlayerにその世界に入り込ませるか。それが出来るゲームは楽しいゲームであるはずである。

この2つの要素をいかにうまくゲームに落とし込めるかが重要で、私が考えるいいゲームはそれがうまく出来ている様に思います。

最後に

同人ゲームサークルA.I.Lab.遊としては、ゲームを創作すること自体が楽しいのです。今後も楽しい体験の出来るゲームを出していけるればいいなと思っておりますが、この先も楽しみながらゲームを作っていければなぁと言うのが一番の思いです!

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